国民年金だけで大丈夫?「マンガ 自営業の老後」を読んでフリーランスが今できることを考える
老後はフリーランスではなくても心配ですよね。目の前の仕事や家事育児でいっぱいいっぱいの生活では、なかなか遠い将来のことまで考える余裕はなく、老後は大丈夫なのだろうか…と漠然とした不安を抱えながら過ごす日々。そんな生活の中で出会った本が「マンガ 自営業の老後」です。
目次
本の内容
依頼は決して断らない、締め切りは守るというイラストレーターの著者の仕事が減ってきたのが47歳頃。 段々と減る収入や貯金に不安を感じつつも、具体的に何が不安なのか、どうしたらよいのか分からない。 はっきりと分かっているのは、「老後」という2文字への不安。
仕事以外はズボラだったという53歳の著者が、老後のために「今」できることを、先輩や専門家とともに考えていく、という内容の本です。
どういう人向けの本?
- 駆け出しのフリーランス
- 老後が不安なフリーランス(タイトルのまんまですが)
- 国民年金しか払っていないが、老後に備えて貯蓄を増やしたい人
登場するフリーランスのサンプルがすごい!
この本には個性豊かなスリーランスの方々が登場するのですが、どの方もお金に対する姿勢や考え方は全く異なり、参考になるというより、へぇ〜すごいな…と感嘆しました。
例えば、こんな方々が登場します。
サンプル1:老後に備えまくってる30代の2児の母・デザイナー加藤さん
20代から老後について考え、確定拠出年金・小規模企業共済(後述)に満額で加入、貯蓄型生命保険、養老保険、SBI証券の積立投資信託もやっている老後が楽しみなデザイナー。
サンプル2:65歳フリーライター佐竹さん
持ち家なし、月々の年金5万円とバイトで暮らしているが、一軒家を知り合いから無償で借りている。配膳の仕事(月7〜8万)とライターの二足のわらじの生活をしている。全ての基本は「健康」なので、スポーツクラブは外せない。
サンプル:もつ焼屋さんを営む現役80歳のおかあさん。
年金33,500円と息子さんからもらう5万円で生活している。1階がお店、2〜4階が自宅のビルに住んでいるため家賃はなし。
加藤さん以外は家賃を払う必要はないので、収入が少なくても何とかやっていけているようです。今の時代、持ち家より賃貸なんて声も聞きますが、家をどうするかでも老後の生活が大きく変わってきますよね。
このお三方が実際にどのような生活をしているのかは本書を読んでいただくとして、フリーランスとは言えども夫は会社員、家賃の支払いなしといった好条件付きのフリーランスなので、参考になるようでならない気もします…。
フリーランスが将来に備えて任意で加入できる制度
ある程度稼ぎがあって将来についても考えているフリーランス・個人事業主なら既に検討/加入済みかと思いますが、国民年金しか払っていない人なら下記の制度の利用を検討してもよいかもしれません。本書ではこちらの制度についての深い説明はありませんので、メリット・デメリット含めてよく調べてから加入しましょう。
- 国民年金 付加保険料(400円/月)
付加年金額は「200円×付加保険料納付月数」なので、付加保険料を納めた分は2年間で元が取れます。国民年金基金との併用は不可。 - 国民年金基金(上限68000円/月・60歳まで)
- 小規模企業共済(1,000円~70,000円/月)
自分で年金を準備する。掛け金は所得控除となる。 - 確定拠出年金(5,000円〜68,000円/月)
自分で退職金を準備する。掛け金は所得控除となる。
あとは、
- やっぱり国民年金は払ったほうがいいの?
- どんな保険に入ればいいの?
- ローンは組めるの?
- 老後に大家業で家賃収入で暮らすって実際どうなの?
といった、気になる話も書かれています。進む道に「正解」はないけれど、自分はどうしたいのか、どうするのがベストなのかを考えるきっかけにはなるはず。
余談ですが、以前民間保険業者に保険の相談をした時に、「実はもっと安くて良い保険がありますよ」と小さい声で教えてくれたのが、都道府県民共済グループの保険です。とにかく保険料が安いので、経済的に厳しいご家庭にはオススメです。
読後の感想
当たり前ですが、フリーランスにも必ず老後がやってきます。
「あの時、ああすればよかった…」と後悔しないためにも、今できることを、今から始めなければ!と改めて気付かせてくれました。
著者の方は、年収1000万→1/3に減っても300万(?)、過去5年分の年金88万を一括(?)払い、5880万円の物件を13年のローン全額返済済み、お子様はいないので教育費は必要なし、という状況でしたので、参考にし難い部分もありますが、読み物としてはとても面白かったです。オススメ!
老後に備えて低リスクでお金を増やす方法
上記で紹介した制度に加入して老後にもらえるお金を増やすだけではなく、低リスクかつもっと積極的にお金を増やしたい!という人には、以下の本がオススメです。こちらも初心者向けの本ですが、会話形式で読みやすく、楽しみながらお金の知識を得ることができます。とても面白かったです!